京都仏眼鍼灸理療専門学校には「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」の国家資格取得を目指せる4つの学科があります。

「手当て」が患者さんの 「楽」になるように。 命と向き合うマッサージ。

友田清香

  • 2016年選科卒業

「友田治療院」あん摩マッサー指圧師

  • 京都(伏見区)
  • 介護師
  • 治療院
  • 訪問マッサージ
  • 選科
  • 開業

介護士の経験を活かして患者さんと向き合う。

私がマッサージの仕事を志したのは、介護士として介護施設で働いていた頃の出来事がきっかけです。転倒して大腿骨を骨折した高齢女性が車椅子生活となり、みるみる体が弱り、お亡くなりになるという事がありました。「マッサージやリハビリをもっと受けていればもう少し元気に長生き出来たのではないか」「私にも何かできることがあったのではないか」と思い、あん摩マッサージ指圧師の資格をとろうと決意しました。以前の勤務先にあん摩マッサージ指圧師の先生がおられ、京都仏眼の選科であれば働きながら通えるということを教えていただき、入学を決めました。週6で働きながら通学しましたので勉強は想像以上に大変でしたが、 クラスメイトに恵まれ協力して勉強に取り組めたため、学生生活は楽しく過ごすことができました。

卒業後は、個人事業主として治療院から業務委託を受けて訪問マッサージの仕事をしていました。2022年からは京都仏眼本科を卒業した夫と共に「友田治療院」で訪問の仕事をしており、自宅の一室で施術も行っています。

私は、介護の仕事の資格と経験を活かし、高齢者を中心に、脳梗塞後の半身麻痺の方や難病の方、介護施設での寝たきりの方、余命宣告された末期ガンの方など、精神的にも辛い思いをされている方への訪問マッサージの依頼を多く頂いています。コロナ禍には、末期ガンの方が最期を自宅で過ごすということで、少しでも身体が楽になるようにとマッサージを依頼されたこともありました。このような重度の方を診させて頂く時には、進行していく病状を前に施術者として無力さを感じることもありますが、「少しでも楽になって貰いたい」という想いで患者さんと向き合っています。私は「手当て」という言葉が好きです。手から伝わる温かみによって、患者さんがほっとしていただけるのではないかと思っています。
今の仕事は、精神的にも辛い思いを抱えておられる方が多いので、患者さんへの思い入れが強くなりすぎて、自分自身も辛くなることもありますが、ご高齢の方や末期ガンの方などの人生の最後の時間に関わらせて頂くこともある大事な仕事なので、患者さんと真摯に向き合い、安心して任せていただけるように、今後も努力していきたいと思っています。

京都仏眼での学び

授業で印象に残っているのは臨床実習です。実際の患者さんに施術をさせてもらえたことで、難しさもありましたが、より現場に近い経験を積むことができました。

学生生活の思い出

仕事をしながら通学していたので、勉強は本当に大変でしたが、 クラスメイトと一緒に勉強をしながら教えあったりして、楽しい時間を過ごすことができました。卒業後もクラスメイトとは一緒に施術の練習をしたり、情報の交換をしあうなど連絡を取り合っています。

あん摩マッサージ指圧師の役割

私が介護士だったときは、時間に追われ患者さんのお話をゆっくり聴くこともできませんでしたが、マッサージの施術時間には患者さんの身体に直接触れ、患者さんに近い存在でいられます。一対一で向き合えて話をゆっくり聴けるので、他の人になかなか言えない不安や悩みも打ち明けて下さることも多く、重要な仕事だと思います。

女性のあん摩マッサージ指圧師について

超高齢社会の中で、あん摩マッサージ指圧師の需要は増えています。現場では、女性の患者さんから、女性の施術者を希望されることもありますので、多様なニーズに応えられるよう女性のあん摩マッサージ指圧師ももっと増えていってほしいと思っています。