京都仏眼鍼灸理療専門学校には「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」の国家資格取得を目指せる4つの学科があります。

臨床心理士の知識を活かして、 障がいのある方へ訪問マッサージ。

友田尚輝

  • 2015年本科卒業

「友田治療院」院長

  • 京都(伏見区)
  • 本科
  • 治療院
  • 臨床心理士
  • 訪問マッサージ
  • 開業

対人支援のスペシャリストとしての
鍼灸・マッサージ師を目指しています。

現在、私の仕事の中心は、医療保険を用いて障がいがある方のお宅に訪問しマッサージやリハビリを行う事です。ここに至るまでに様々な経緯がありました。

元々東京の大学で法学を学んでいましたが、体調を崩したことをきっかけに体と心は密接につながっていると実感、臨床心理学に興味をもちました。その後臨床心理士になるべく京都の大学へ編入、 様々な心理療法の中でもやはり身体的なアプローチに強く惹かれました。しかし実際の心理士の現場では直接身体にアプローチする機会は限られています。体を入り口にしつつ、心理学の世界で学んだことを生かすにはどうしたら良いか?と考え、あん摩マッサージ指圧師とはり師、きゅう師の資格を取ろうと思いました。他にも色んな資格がある中であえてこれを選んだのは、東洋医学の心身相関や、ホリスティックな思想が、私の学んだ臨床心理学とよく似ていたからです。

京都仏眼本科に30代前半で入学、2015年に卒業してすぐに開業しました。 最初は色んな職場をかけ持ちしていましたが、2022年からは仏眼卒業生の妻と共に仕事をしています。訪問マッサージを中心に自宅等で実費の鍼灸治療も行っています。訪問マッサージ師としての私の特徴は、重度心身障害の方を多くみさせて頂いていることです。学生時代から障がい者支援のサークルに所属していたり、機能訓練会にボランティアとして参加していましたが、資格を取ってからは仕事として関わらせて頂けるようになり、今では私の専門分野の一つとなりました。ご縁の深さに驚くと共に、必要として頂いていることは本当にありがたいと感じています。

障がいのある方への訪問マッサージ

私がみさせて頂いている障がい者の方は、重度の麻痺があったり体が大きく変形していたり、脱臼していたり、それに加えてんかん発作など様々な症状を抱えておられます。また言葉でコミュニケーションを取ることも困難なため、ご本人から直接訴えを聴くことができません。そのためご家族や施設のスタッフさん、各所の相談員さん、役所の福祉担当者の方などご本人をとりまく方々と話し合い、協力しながら、自分の持っている知識や技術を総動員して適切な関わり方を模索する必要があります。また患者さんのご家族がしんどい思いを抱えておられることも多く、ご家族をサポートすることも大切な仕事の一つだと考えています。

京都仏眼での勉強

元々興味のある内容だったので勉強は楽しく苦になりませんでした。ただこれまで学んできた心理学の考え方と、東洋医学の考え方、西洋医学の考え方を整理するため、授業を受けている時は意識的に頭の切り替えをしていました。そしてこの時に学んだことが今の臨床の基本になっています。

今後の夢や目標

以前に鍼灸・マッサージの仕事と並行して、臨床心理士として市役所の引きこもり支援の部署で働いていたことがありました。相談に来られる方はご家族が多く、なかなかご本人と直接お会いすることはできませんでした。しかし引きこもっている方々も、病院には通院しておられることが多かったようでした。“体のケアをする”、という入り口はどなたにとっても入りやすいのかもしれません。ある時福祉のケースワーカーさんと、「マッサージしに行くよ」だったらひょっとしたら会ってくれるかな?という話をしたことをおぼえています。社会的引きこもりの状態にある方は、若者だけでなく、ご高齢の方、病気で療養されている方など沢山おられます。そういった方々とも、“体のケア”をきっかけに、社会とつながりをつくって頂けるような活動が出来たら良いと思っています。